2011年09月16日

被災地へ届く「やちむん」⑥。

 
*今回お届けした器の一部。



私の祖母は、宮城県気仙沼市の人で
岩手県陸前高田市の学校を出て
10代までを、三陸で暮らしました。


震災を経て、祖母としては三陸の方へ
何かしてあげたいけど高齢のため
何もできないという葛藤を
抱えていたようです。


そこで、今回沖縄から頂戴した器をみて
岩手県大船渡市に暮らす祖母の親友チエコさんへ
届けてくれないだろうか、とお願いがあり
ガッテン承知と、お届けに伺いました。






















*この写真は大船渡市です。



宮城県から車で2時間半。
霧が立ち込める山と峠をいくつも越えて
陸前高田市を通り、大船渡市へ
到着しました。


途中、陸前高田市の惨状に
大変驚きました。


え?ここは山の中でしょ?と
いう場所の、海の「う」の字も無いような
陸前高田の里山にまで津波がのぼってきていて
その威力のすごさが刻みつけられていました。

 


*何も無い中で作ってくれたことが嬉しくて、おこわ2皿食べました。



さて、チエコさん宅に到着すると
「この辺の店はどこも開いてないがら、
ありあわせのものしか出せないけっども」
と言って、栗のおこわ(絶品)と
自家製ニラの味噌汁と漬物(これまた絶品)と
「*終わり初ものだから食べてってね」とおいしい
とうきびをごちそうになりました。
*終わり初もの=出回る時期が終わった野菜の最後の収穫物を初ものと同じように珍重すること。



仙台から私たちが来ることや
沖縄からやちむんが来ることを
「ずーっとワクワクしてたんだがらー」と
とても楽しみにしていたという
チエコさんは、震災前まで
陶芸を趣味に公民館で習っていたそうです。
今回は、陶芸仲間の方々も一緒に
やちむんのお披露目会です。





 

箱からやちむんを取り出すやいなや
ワァっと、お互いの声も聞きとれないほど
大歓声があがりました。





自由でのびのびとしたやちむんに
「想像力がかき立てられて、楽しい!」
と、手にとってみては握ってみたり
掌に包んでみたり、裏返したり
やちむんやガラスを愛でていました。
あまりに悲惨な風景を見聞きしすぎた心に
沁みこんでくるようだとおっしゃっていました。



「津波は3回目。でも、今まででいちばんひどかったよ」




チエコさんの家は30メートル前まで
津波が来たのですが、流れが変わったため
危機一髪助かったそうです。
それでもお姉さん方のご親族12名の方が
亡くなったそうです。



*がれきの中にも秋が来る。



震災という悲しい出来事が
きっかけとなってしまいましたが
祖母のルーツを訪ねながら
新たなご縁での出会いに恵ました。


チエコさんは大船渡に暮らす
もう一人のおばあちゃんだと感じます。
そして、私の中にも三陸の血が流れていることを
再認識し新たなアイデンティティの発見もできました。




◇◆◇◆



最後になりましたが
今回、器をご提供いただきました


・陶房 火風水さん
・工房 彩砂さん
・小泊 良さん


各工房の皆様、改めて御礼申し上げます。






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この記事へのコメント
「心に沁みこんでくるよう」との言葉になぜか私も感激しております。
あっ、自宅(外人住宅)のパステルカラーのクローゼットに飾っているポストカードにうーとーとーしましたよ。
Posted by ピーピッカー at 2011年09月16日 21:41
★ピーピッカーさん
パステルカラーのクローゼット!
何色のパステルなんだろうと、ふと思いました。
傷ついたハートに美しい芸術ってとっても沁みるんでしょうね!
Posted by みさき at 2011年09月17日 14:41

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被災地へ届く「やちむん」⑥。